2017/08/07[mon] update

歌手 林部 智史さん

未来に生かされない
経験なんて無いんです。

歌手 林部 智史さん
取材協力/低糖質そば&ワインバー ローカーヴ(札幌市中央区北2条西3丁目1-29 タケサトビル B1F)
カラオケ番組での優勝をきっかけに歌手デビューし、抜群の歌唱力でファンを増やしている林部智史さん。
北海道礼文島で働いたこともあるというバイト経験に迫った。

カッコ良さにあこがれたバーテンダーが初バイト

林部智史さんの出身は山形県新庄市。子どものころから歌うことが大好きで、テレビから流れるJ-POPを真似ては口ずさんでいた。スポーツのセンスもあり、小、中学生時代はバスケットボールに熱中。高校は全国レベルのバスケ強豪校へ進んだ。
「歌うことは好きでしたが、当時は歌手になるっていう発想そのものが無かったです。田舎だったせいもあるけど、あまりにも遠い世界のことに思えて」
高校を卒業すると医療系の仕事に就く母の影響で、看護専門学校へ進学。人生初バイトはそのころに経験したバーテンダーだったそう。
「人前に立つのは嫌いじゃなく、華のある仕事にあこがれたんですね。バーテンダーがシェーカーを振る姿ってカッコイイじゃないですか。ホントはバイト禁止の学校だったんですけど(苦笑)」
看護師を目指して実習にも積極的に取り組んでいた林部さんだが、ある時から心のバランスを崩し、引きこもりがちになってしまう。やむを得ず専門学校を中退し、療養を兼ねて姉が住む沖縄に移住。周囲とのつながりを途切れさせないようにと姉の勧めもあり、居酒屋やホテルでアルバイトをして過ごした。
「沖縄のホテルには全国からいろんな人が来ていて、知らない者同士が一緒に働く環境が当時の自分に合っていたんです。人間関係の煩わしさが少ないというか…。地元には戻りたくない気持ちもあったので、各地のリゾートで働こうと思い沖縄、新潟、礼文と渡り歩きました」

歌手を目指すきっかけをくれた
礼文島でのバイト仲間

そんな林部さんに転機が訪れたのは北海道礼文島、ホテルのレストランスタッフをしていた時のこと。
「ボーイ仲間の一人がギターを持っていて、彼の演奏でよく歌っていたんです。マンガみたいですけど、本当に海に向かって歌ってました(笑)。その時、彼が、僕の歌声で歌手を目指さないのはおかしいと言ってくれたんです。自分がそれくらい上手かったら絶対にプロを目指している、と」
その言葉は林部さんの心を揺さぶった。リゾートバイトは性に合っていたが、どこか満たされないものを感じる毎日。子どものころから好きだった「歌」を仕事に出来たら…。たとえ失敗しても失うものは何もない。一念発起した林部さんは、あこがれていたEXILEのATSUSHIさんを輩出した有名音楽学校の門を叩いた。
授業料を払うために新聞配達の奨学金制度を利用した林部さん。深夜2時に起きてチラシを挟み、3時から配達。原付バイクで400世帯を周り、配達が終わるのが6時。9時から13時まで授業を受け、14時から夕刊を配達するという超ハードスケジュールを2年間こなした。
「この仕事をしていて一番苦しかったのは、音楽よりも配達を優先しなければいけない時があること。例えばプロのアーティストが来校して、14時からライブを見られる…というチャンスがあっても、夕刊の配達があるから帰らなければいけない。自分は何のためにここにいるんだろうと何度も自問しました。でも、仕事をしなければ学校に通えない。音楽のためには(新聞を)配るしかないと自分に言い聞かせていました」
朝の配達が終わると夕刊配達まで寝てしまい、学校に通わなくなる奨学生仲間も少なくなかった。しかし、林部さんは眠気を振り払って学校へ通い、なんと首席での卒業を果たした。
「時間が無かったのが、かえって良かったのかもしれません。限られた時間の中で集中しようという意識が働き、質の高い練習が出来たんだと思います」
また、新聞配達のバイトには思いがけないメリットもあった。
「高校時代の厳しいバスケの練習で下半身に筋肉が付き過ぎていたんです。でも、新聞配達で体を動かすと体型を維持したまま余計な筋肉が落ち、スッキリしたスタイルになれたのはうれしかったですね!」

本当に泣ける歌声はバイト経験のたまもの!?

首席での卒業は大きな自信になったと振り返る林部さんだが、デビューへの道は平坦ではなかった。度々オーディションに挑むも、結果に結びつかない毎日。やはり厳しい世界なのだと、あきらめかけたこともあった。そんなころに携わっていたアルバイトが、東京ディズニーシーのツアーガイド。600人に一人しか採用されないという狭き門を見事に突破してつかんだ仕事だった。
「倍率が高いからこそ受かってやろう!という気持ちになり、ガイドブックで徹底的に勉強しました。ツアーガイドになってしばらくして、歌でテレビに出させてもらうことになったので、働いていたのは3週間ぐらい。でも、あのディズニーのスタッフの一人になれたのは貴重な経験だったと思います」
カラオケ番組に出場すると高い歌唱力が評価され、2015年には年間チャンピオンを獲得。翌年1月に待望のメジャーデビューを果たし、〝本当に泣ける歌声〟と人気急上昇中だ。
最後に、これまでのバイト経験を振り返って、読者にメッセージをくれた林部さん。
「アルバイトって楽しいばかりじゃなく、ツライことも、大変なこともあります。ただどんな経験もきっとその人の一部になっていく。僕のバイト経験も歌詞に生かされたり、声の〝味〟になっていたり。未来に生かされない経験なんて、きっと無いんだと思っています」

★林部 智史さんの思い出バイト★

リゾートバイト
全国から集ったいろんな境遇の人と出会えるのが魅力。全員、知らない人同士なので、人見知りの人にもオススメです!
新聞配達
チラシを折り込む時、キレイに新聞に挟まると「パンッ!」て気持ちの良い音がするのが好きでした(笑)。
ツアーガイド
ディズニーリゾートでもあまり知られていないサービスです。ディズニーシーに関する知識には自信があります!

<プロフィール>
林部 智史

2016年2月24日、シングル「あいたい」でエイベックスよりデビュー。“今、もっとも泣ける歌”として口コミで広がり、発売後4カ月で有線全国ランキング1位を獲得し、その後もロングセラーを続け、発売10カ月で10万枚を突破。2016年末には「第58回輝く!日本レコード大賞新人賞」「第49回日本有線大賞新人賞」を受賞。その圧倒的な歌唱力と、比類ない歌声は“泣ける”と評判を呼び、コンサートは癒しと涙を求めたデトックスコンサートとして、リピーターが続出。今、一番泣ける歌声として大きな注目を集めている。
公式サイト

<インフォメーション>

●新リリース情報
「だきしめたい」
■(CD)AVCD-83882 1,000円(税抜)
■(CD+DVD)AVCD-83881/B 1,500円(税抜)
●ライブ情報
「林部智史 〜あいたい…そして、だきしめたい〜 CONCERT TOUR 2017 in 札幌 」
10/22(日)道新ホール
開場/15:30 開演/16:30
お問い合わせ/WESS
TEL 011-614-9999