2018/12/03[mon] update

シンガーソングライター 笠原 瑠斗さん

人にどう満足してもらうか。
それはバイトも音楽も一緒。

シンガーソングライター 笠原 瑠斗(りゅうと)さん
撮影協力/Ten to Ten Sapporo Station(札幌市北区北6条西8丁目3-4)
札幌を中心に活動する、シンガーソングライターの笠原瑠斗さん。
R&Bシーンの期待を背負う新星が、地元・札幌で経験したアルバイトの思い出を語ってくれた。

悲しい場面も明るく変えられる音楽の力

「バイトの話を人に話す機会ってあまりないから、楽しみにしてきたんです」。笠原瑠斗さんは、取材場所のソファに腰を掛けると爽やかに笑ってそう話した。22歳という若さながらとがった雰囲気は全くなく、ピュアな歌声やライブパフォーマンスで人気を集めていることが実にうなずける。
まずは笠原さんが音楽を好きになったきっかけから尋ねた。聞けば、小学校5年生までは両親が聴くCDに何気なく耳を傾ける程度で、深く興味を示したことはなかったのだとか。けれど、祖母のお葬式に参列した際に転機が訪れたという。一体何があったのだろう。
「当然、両親も親せきも悲しみに包まれ、幼いながらに明るく振る舞ってはいけない空気を肌で感じていました。でも、誰かがテレビのスイッチを付けて『Hey! Say! JUMP』の歌唱シーンが映ると、グループや楽曲の話題でポツリポツリと会話が生まれ、最終的には笑顔が見られるようになったんです。音楽は悲しいムードさえ明るくすることができるんだ!と胸を打たれたことを鮮明に覚えています」
以来、笠原さんは音楽に傾倒し、日本で人気の高いアーティストの楽曲を中心に多彩なジャンルを聴くようになった。今、自身が歌うR&Bに出合ったのはボイストレーニングを受けるようになった高校生時代。先生がスタジオで流していたR&Bの楽曲に衝撃を受けたのだそう。さらに札幌のライブイベントに足を運ぶうちに地元のR&Bシンガーや音楽関係者とも知り合い、後にステージでマイクを握るようになった。

カラオケ店のバイトでお酒の怖さを知る!?

笠原さんが初めてのバイトに挑戦したのは高校1年生のころ。周囲の友人が次々とバイトを始めたことに影響を受け、少しでも音楽に近い職場で働こうとカラオケ店を選んだ。当時は人と接することが苦手だったため、厨房の仕事を主に担当していたという。
「初めてパスタを作ることになった時、頭の中では円を描くように鍋に麺を入れるというイメージは完璧…のはずが、全然上手くいかずに慌てているうちに麺の端が焦げちゃって(笑)。もちろん、ミスは指摘されるんですが、親や先生以外から叱られることも新鮮な経験でした」
バイト代は主にステージ衣装や友人との遊び、趣味に使ったとか。職場には面倒見の良い先輩も多く、時に笠原さんが興味の薄い音楽ジャンルについて教わることもあった。例えば、バンドサウンドにはあまり触れたことがなかったが、「UVERworld」を知ったのもバイト先だったという。
「ちなみに、お酒の怖さを知ったのもカラオケ店。ある時、飲み物を運びに部屋に入ったら、体がグニャグニャになるくらい酔っ払っているお客さんを目撃して、『お酒を飲むとこんな風になっちゃうの? 大丈夫かよ!?』って驚いたことを覚えています(笑)」
カラオケ店のバイトは1年ほど続けた後に退職。笠原さんは音楽活動に少しずつ力を入れ、先輩方からイベントのノウハウを教わりながら、高校生にしてライブに出演。イベントの組み立て方からお金の流れまでを早いうちに身に付けられた経験は大きかったと表情を引き締める。
「そのころに始めたバイトが札幌駅にあるアパレルショップ。R&Bから派生するファッションも好きだったので楽しく働けましたし、音楽活動に理解があったことも助かりました。そうそう、思い出深いのは娘さんと一緒に来店したお父さん。信じられないくらい次々とカゴに洋服を放り込んでいる様子を見て、さすがにこんな大量に商品を買わないだろうと思っていました。でも、僕がレジを担当したところ、スッと差し出されたのがブラックカード。初めて目にしましたし、自分が会計したことに妙なうれしさを感じました(笑)」

「他人」と密接にかかわれるのがバイト!

笠原さんは、高校を卒業すると、ニューヨークに留学。本場の音楽を体感するために舞台やクラシックバレエ、路上ライブなど、さまざまな場へ出掛けた。当時は内気な性格だったが、アメリカではコミュニケーションを取らない限り物事が何も進まないと痛感。ネガティブに考えず、積極的にアクションを起こすように心持ちが変わった。
「ニューヨークから帰ってきてすぐに、北海道のR&Bアーティストの泉亮さんから事務所に所属せずとも音楽活動を広げられると教えてもらいました。幸運なことにたくさんの皆さんのご協力をいただく機会が重なり、ファーストシングルをリリースできました。」
この11月にはニューアルバム『街を抜け出して』をリリース。タイトルとなっている楽曲は、バイトや仕事に悩んでいる人にこそ聴いてほしいという力作で、「考えすぎずに力を抜いて頑張ってみようというメッセージを込めました」と笠原さんは語る。最後に読者へのメッセージで取材を締めくくってもらった。
「バイトは家族でも友人でもない『他人』と初めて密接にかかわれる大切な場。僕はそれほど多くの職場を経験したワケではありませんが、接客にしても厨房の仕事にしても、お客さんにいかに満足してもらえるかが勝負ですよね。それって、突き詰めると音楽も一緒。聴いてくれる人に歌声で心を満たしてもらうことが使命ですから」

笠原 瑠斗さんの思い出バイト

カラオケ店
最初は呼び込みの仕事からスタートしましたが、イヤでイヤで(笑)。店内業務に移れるよう試行錯誤しました。
アパレルショップ
留学するために辞めることを伝えた時、「帰ってきたら、ウチの店に戻っても良いからね」と優しい言葉を掛けてくれました。

プロフィール

笠原 瑠斗
2012年からキャリアをスタート。2013年、R&Bに興味を持つ。その音楽の原点、黒人のスタイルに強くあこがれを持ち始め2014年NewYorkに留学。同年4月29日、ファーストシングル『Smile』をリリース!3カ月で1000枚突破を達成する。2017年11月18日、BFH HALLにて行われたワンマンLIVEはチケットsoldout!2018年12月24日、2度目のワンマンLIVEが決まっている。2018年10月からはFMノースウェーブにて冠番組を持つ(毎週月曜日23:00 笠原瑠斗のChill time radio)。
オフィシャルサイト:https://ryuttttow.info

インフォメーション

●最新リリース情報
「街を抜け出して」
■SFCC-012 1,800円(税込)
●ライブ情報
笠原瑠斗ワンマンライブ2018
12/24(月・祝)KRAPS HALL
開場/18:30 開演/19:00
チケット/前売り 3,000円(税込)1ドリンク代込
小学生以下 1,500円(税込)1ドリンク代込
お問い合わせ/FIT STAGE
090-9753-8947