2018/05/28[mon] update

アルキタ学生スタッフが深田晃司監督にインタビュー

5月26日(土)公開の映画『海を駆ける』でメガホンをとった深田晃司監督に、現役高校生のアルキタ学生スタッフがインタビューしました。
●インタビューした学生
北海道科学大学高校1年 本間架音さん
ー今作『海を駆ける』をなぜ作ろうと?

2011年12月に、この映画の節になったバンダ・アチェに初めて行ったんです。京都大学と現地のシアクアラ大学の2校で津波と防災に関するシンポジウムがあって、その記録係を頼まれたからです。バンダ・アチェというところは、2004年のスマトラ島沖地震の津波で多くの方が亡くなっている地域なんです。そこに行ってみると色々考えることが多くて…東京でテレビを通して見ていた東北の畑とかが津波で流される映像にすごいショックを受けていたけれど、バンダ・アチェの津波の映像などをニュースで見ていた時に「同じように想像できてなかったな」とか「同じように受け止められていなかったな」ということにも気がつきました。それで、この映画を通じて、お客さんがバンダ・アチェと出会うような機会を作りたいなと思いました。
ーなぜ、ディーン・フジオカさんをラウ役に?

ラウというキャラクターを誰にしようかというのは、最初は結構難航していました。どこかで人間離れしたような存在感を持っていられる人を探していましたが、中々良い人が見つからず…。3年ぐらい前だと思うんですが、プロデューサーの方から「最近、ディーン・フジオカさんって人がいるよ」と聞きました。「あさが来た」という朝ドラでブレイクし始めていた頃だと思うんですが、自分は全然ドラマを観なかったので「あぁ、そういう人がいるんだ」というぐらいだったんです。そのあとまた、フランスで活躍する別の女性プロデューサーからも「インドネシアを舞台にするんだったら、ディーンさんっていう人が縁あっておもしろいよ!」と言われました。また名前が出てきたと思い、調べてみたらプロフィールがすごくおもしろかったんです。若い頃はアジアを放浪し、台湾で映画俳優としてデビュー。その後は台湾香港で俳優として活躍し、今はジャカルタを拠点にしながら日本で仕事をしている。非常に無国籍なプロフィールがラウという、どこか超然とした無国籍なキャラクターと、良い感じに重なり合ってくれるんじゃないかという思いがありました。あともう1つは顔ですね。どこかで人間離れした端正な顔というのはラウというキャラクターにピッタリだなと思いました。
ー映画をつくるきっかけはなんですか?

中学3年生のときにスペインの『ミツバチのささやき』(73)という映画を観て、それから映画にのめり込んでいったんです。なので、10代は映画ばかり観ていました。ただ、こうやって人と話すのも得意ではなかったですし、例えば小説を書くとか漫画を書くとか音楽を作るとか、1人でコツコツできるようなものしか自分は無理だと思っていたので、映画監督になりたいというのは最後の最後でしたね。大学に入り、たまたま東京にある「映画美学校」のチラシを見つけて、初めて「映画って作れるんだ」ということを知りました。
ー学生時代、バイトはしていましたか?

高校生の頃はバイトが禁止されていたので、していなかったです。なので、すごく貧乏でした。大学に入ってからは、リサイクルショップとか本屋の店員とかスーパーの商品セール担当とかやりましたけど、鈍臭くて結構クビになりましたね(笑)。バイトが3つクビになったときに、一般社会ではやっていけないと思いました(笑)。

ーバイトの経験は今に活かされていますか?

映画作りにおいては、あらゆる経験が無駄にはなりません。例え悲しいことや辛いことがあっても「いつか映画に活かしてやる!」と思える仕事です。なので、大抵のことはいつかネタにしてやると思えば乗り切れますね!!

ー私はいま高校生なのですが、私ぐらいの年齢だと、夢を持っている人が多いと思います。そんな夢を持っている皆さんに呼びかけたいことはありますか?

高校生ぐらいの人に言いたいことは、とにかく皆さんが思っている以上に今はすごく大事な時期だということ。自分自身も中学、高校のときに読んだ小説や漫画、映画、音楽などが、自分の人間性や創作の7割ぐらいを占めているな、影響を受けているな、と思うんです。10代の頃に見聞きしたものの蓄積というのはすごく大きいので、ぜひ色々な映画をたくさん観てほしいし、色々な本を読んでほしい。「これ好きだな」と思うものだけではなくて、自分は苦手かもしれないけど人が勧めていたり人が面白いなと思っているものも、ぜひ積極的に観てほしいです。

『海を駆ける』

監督:深田晃司
出演:ディーン・フジオカ、太賀、阿部純子 ほか
2018年5月26日(土)から札幌シネマフロンティアで絶賛公開中

インドネシアの海岸に倒れている男(ディーン・フジオカ)が発見された。記憶がなく容姿が日本人のため、NPOで災害復興の仕事をする貴子(鶴田真由)らが呼び出される。現地語で「海」を意味する「ラウ」と名づけ、しばらく面倒を見ることに。ラウはいつも静かにほほ笑んでいるだけだったが、彼の周辺では不可思議な現象が起こり始めていた・・・。
公式サイト:http://umikake.jp