2018/03/19[mon] update

mol-74 Vo./G./Key. 武市和希さん

バイト先に向かう冬の朝。
通勤で聴いてた曲が、
僕らの音楽につながった。

mol-74 Vo./G./Key. 武市和希さん
一風変わったバンド名と、幻想的で凛としたサウンドで知られる、「mol-74(モルカルマイナスナナジュウヨン)」。フロントマンの武市和希さんが、数々のアルバイト経験を熱く語ってくれた。
撮影協力/WORLD JAPANESE FOODIN' EN(札幌市中央区南2条西6丁目 土肥ビル1F)

厨房に隠れながら、
ハンバーガー作り!?

丹精なルックスとファルセットを生かしたヴォーカル。「mol-74」の楽曲は冬をテーマにした作品が多いことも相まって、武市和希さんにはクールな印象を抱いていた。ところが、インタビュー中も物腰が柔らかく、笑顔は常に温かみを帯びている。そんな彼が音楽に触れたルーツから尋ねてみた。

「父も母も音楽が好きで、小さい時から『B'z』とか『サザンオールスターズ』の曲を聴いて育ちました。それから音楽はずっと好きで、バンドサウンドに目覚めたのは高校1年生。『ASIAN KUNG-FU GENERATION』にグッときたんです」

加えて、文化祭のステージに立つ先輩の姿もカッコ良く映り、「バンドはモテるんだって確信しました」と冗談交じりに笑った。ほどなく高校の同級生だったドラムの坂東さんらとバンドは組んだが、まだまだ遊びの要素が強く本格的な活動には至らなかったという。

「実は小学生のころにパティシエになりたいと両親によく言っていました。ドラマか映画か何に影響を受けたのかすっかり忘れちゃったんだけど、その手前もあって高校時代は製菓専門学校を目指してたんです」

ちなみに、高校はバイトがNGだったとか。けれど、「時効ですよね」といたずらっぽく微笑みながらハンバーガーチェーン店で働いていたことを教えてくれた。武市さんは厨房担当で、店長には先生が来店したら隠れても良いという約束を取り付けていたそう。「実際に危うく見つかりかけて物陰に潜んだことも」と懐かしそうに振り返る。

「他にも親友の父さんがやってたちゃんこ鍋屋さんとか、地元の担々麺屋さんでも働きました。NGだったのに結構やってますね(笑)。楽器が欲しかったというのもありますし、両親からお小遣いをもらうのも申し訳なかったんです」

仕事とバンドを両立!
…のはずだったけれど。

武市さんは地元の徳島から京都の製菓専門学校に進み、坂東さんも同じ街に進学。引き続きバンド活動も行った。牛丼店や試食販売のバイトをしながら、スタジオ練習やライブの回数を少しずつ重ねた。卒業後は、ロールケーキを製造する会社に就職したという。

「本格的なパティスリーに勤めちゃうと、一日の大半は作業に取られてしまいますし、休みも少ないと思ったんです。バンド活動と両立できる職場というところから逆算し、シフトや休日がキチンと決まっている工場勤務を希望しました」

ところが、事態は武市さんの思惑とは別の方向に進んだ。工場スタッフとして入社したが、各地の物産展をはじめとする販売の仕事に回されたのだ。しかも、そのまま接客の仕事を続けるよう言い渡された。
 「高松や横浜に一週間くらい滞在し、各地のデパートでロールケーキを売るんです。曲を作りたくてギターも持って行きましたが、そんなヒマもなく…。思い描いていたプランが全然成り立たなかったので、もの凄く申し訳ないけれど一年も経たないうちに退職しました」

武市さんは地元の徳島に戻り、バンドメンバーの拠点・京都で暮らすための準備を整えた。高校時代にバイトをしていたハンバーガーチェーン店で再び働き、半年後にはメンバーが待つ京都に舞い戻ったのだ。その後、バンド活動を本格化させた。

バイトは相手の立場を
考える経験に!

武市さんは京都に移ると、チェーン店のカフェでバイトを始めた。今度はシフトの融通が利く職場だったため、バンド活動との両立ができると胸をなで下ろしたそうだ。その上、スタッフ同士の仲が良く、年末でなくても率先して大掃除をするなどチームワークも抜群だった。

「職場は人が大事だって強く感じた環境。友だちと呼べる同僚がたくさんできましたし、今でもよく会う後輩もいます。あと、僕はなぜかご年配ウケが良くて、常連のおじいちゃんとは連絡先も交換しました(笑)。実は、近々当時のバイトスタッフも含めて一緒にご飯を食べるんです」

一方のバンド活動は、メンバーと曜日や時間を決めてスタジオ入り。武市さんは他のバイトを掛け持ちしていた時期もあったため、朝の8時にカフェの開店作業をスタートし、夕方からは居酒屋で働いて、夜はメンバーと練習するようなハードな日も過ごした。「あの時はよくやってたなぁ(笑)」と思わず本音を漏らして苦笑する。

「カフェのバイトは朝イチのシフトだと6時起き。早朝は人通りが少なく、特に冬は空気が澄んでいるので大好きな季節でした。その雰囲気に似合うアイルランドの『KODALINE』というバンドの楽曲を聴きながら通勤してたんです。何と言うか、冬の幻想的な光景や白い息が目に浮かぶようで。僕だったらどう表現しようかと考えるうちに、冬をテーマにした曲作りに取り組むようになりました」

自身でも「音楽シーンのど真ん中ではない」と語るように、ライブを開いてもオーディションに出ても、音楽関係者の目に留めてもらえなかった時代もあった。けれど、今や「mol-74」は独自の世界観からファンを増やし、“冬の時代”を抜けて“春”に向かっている。

最後に武市さんはバイト観をこう語り、読者へのメッセージとして締めくくった。

「バイトを経験すると、ご馳走様と言われるとうれしいとか、机を汚すと後で大変とか、働く側のことも考えて日々を過ごすようになります。つまり相手の立場から、人が何をされたら心地良いのか分かるようになると思うんです。これって、人生においてもデカいことですよね」

武市和希さんの思い出バイト

担々麺屋さん
先輩からなぜか「トム」というニックネームで呼ばれていました(笑)。名札は「武市」なので、お客さんが混乱したことも。
牛丼店
やっぱりスピードが命なので、牛丼を作るにも焦ってしまって。自分の性格には向いていないと痛感しました…。
カフェ
スタッフ同士の仲が良く、5年くらい働きました。ホールもキッチンもレジも…と仕事は幅広かったですね。

プロフィール

mol-74
2010年に結成。京都を拠点に活動する4ピースバンド。メンバーは武市和希(Vo./G./Key.)、井上雄斗(G./Cho.)、髙橋涼馬(B./Cho.)、坂東志洋(Dr.)。武市の透き通るようなファルセットヴォイスを軸に、北欧のバンドにも通じる冷たく透明でありつつ、心の奥底に暖かな火を灯すような楽曲を表現。唯一無二の世界観を展開している。2018年1月に7枚目のミニアルバム『(Saisei)』をリリース。
公式サイト⇒http://mol-74.jp/

インフォメーション

最新リリース情報
「(Saisei)」
LADR-013/2,052円(税込)
ライブ情報
mol-74
「(Saisei)」
release tour
3/31(土)
SOUND CRUE

開場/17:30 開演/18:00
チケット/3,200円(税込)
ドリンク代別
お問い合わせ/ウエス
TEL.011-614-9999

サイン入りチェキプレゼント

mol-74武市さん直筆サイン入りチェキを2名様にプレゼントします。
プレゼントの応募は締め切りました